2017年05月30日
一例として第6期生のカリキュラムです。
金沢職人大学校に入ると、いったい何を習ってるのか、気になるところですよね。
伝統的技能の継承といわれても、わかりませんよね。
では、実際に行われた授業科目をご紹介します。
ここで紹介するのは、すでに卒業した、大工科の第6期生のカリキュラムですので、今現在の授業とおなじではありません。

1年目  規矩術 基礎教養講座(内容:規矩術の歴史、大工にとっての規矩
                                         術)

      ※規矩術とは・・・木造建造物の仕口、継手といった接合部分の部材の形状全般
                                 を、規(コンパス)と矩(曲尺、さしがね)で作り出す手法のこと
      規矩術 作図(内容:軒回りの規矩術を習い、合板や紙に製図)
      規矩術 原寸図作成(内容:桁、梁、墨木、垂木、茅負いの規矩術
                                     を習い、実習として、墨付け、木造りを行う。)
      規矩術 実技(内容:今までの総仕上げとして、加工、工作、組立、
                            仕上げを行う。)
   以上、規矩術に1年間を要しました。伝統的技法の基礎知識といったと
      ころでしょうか。

2年目 一間社神社(内容:垂木、斗組、屋根のむくり、断面図作成)
      
※一間社神社とは・・・神社本殿で母屋正面の柱間がひとつのもの
     平三斗組(内容:木割り、墨付け、断面図作成)
       ※ 平三斗とは・・・ 寺社建築で、斗栱(ときょう)の形式の一。大斗( だいと)の上に
                                   肘木(ひじき)をのせ、その上に3個の巻斗(まきと)を並べたもの。

     破風板(内容:木割り、墨付け、木造り、加工、工作)
       ※破風板とは・・・神社の屋根の両端部で、柱が突き破って交錯してる部分を千木
                                 (ちぎ)というが、この千木と屋根のしたでつながっている屋根の
                                  妻側に山形に付けられた板

     懸魚・六葉(内容:眉欠き、墨付け、木造り、加工、工作

       ※ 懸魚とは・・・屋根の破風に取り付けて、棟木や桁の木口を隠す装飾。
       ※六葉とは・・・六角形の飾り金物、釘かくしに使う。
   以上、具体的な伝統的建造物の製造手法を学びました。
   実践編 基礎といったところですね。
     

3年目 数寄屋建築 実技(内容:茶室の各部、矩形、原寸図)
     数寄屋建築 貴人口(内容:面皮柱と半足固め、軒桁、妻梁、柱、
                                   仕口、)
     数寄屋建築 躍口(内容:造作、加工墨付け刻み、挟み敷居、
                                鴨居、取付)
     数寄屋建築 茶道口(内容:妻板、手先妻板、戸尻妻板、
                                   屋根板、皿板、長押取付)
   1年かけて、実際の茶室を作ります。実践編 初級 
      というところでしょうか。

以上が、第6期生の3年間のカリキュラムです。このあと、さらに実践を
極めるため、大工科の卒業生のほとんどは修復専攻科へ進み、また3
年間勉強して、晴れて金沢市長より、歴史的建造物修復士の資格がも
らえます。
多くの卒業生が、この資格を持ち、金沢市の歴史的建造物の修復に